田中 あと、御用一般人の特徴としては市場原理主義批判ですね。
上念 そういうレッテル貼るの好きなんですよ、彼らは。
田中 つまり、市場バイアスっていう意味なんでしょうけど、市場っていうものを非常に怖がったり批判してたり悪いものだと思うそういうマインドが継続的にある。
上念 なんかやたらと政府による保護や統制を求めるというのが社会主義的なんですよ、まさに隷属への道、自由からの逃走です。
田中 いまの経済政策の失敗ってのは小泉改革の失敗になってしまって、そこで思考停止。
上念 それもすり替えですね。私は「経済オンチ」呼びますが、経済理論を理解していない人は、過去に起こった色々な経済的事象を、自分が分かる範囲でトンデモ解釈して、歴史の歪曲や捏造をやります。だから、世界恐慌がハイパーインフレだったりする恐るべき歴史観を持っていたりします。「世界恐慌はインフレの反対のデフレなんですけど」って言っても「えっ、そうなんですか」って素直に目覚める人と、「いや、違う」と言い張るひとがいます。要は、一般人とそれ以外(御用一般人、デフレ派、工作員)に分かれるということです。
 理論的なフレームワークがないので、現象を見たときに理論による演繹的なアプローチができず、行き当たりばったりに知っている範囲で都合良くそれを解釈していこうとするわけです。「利子率革命」みたいないい加減な概念でっち上げて、いわば「食い散らかし帰納法」的に適当にあげつらうんですね。
むしろ、知識不足よりもこちらの方が問題です。その時その時で適当な解釈、この時はここに注目して、あの時はここに注目してという何の一貫性もない歴史の捏造を垂れ流すという二次的被害です。
ということで、①理論に対する無理解とそれを元にした構造的かつ②恒常的な歴史の捏造というこの2つ問題が割とご用一般人の中核を成してるんじゃないかと思います。
田中 そうですね、繰り返しになるけどそれの大きい食い違いのポイントがあって、人口減少とか高齢化とか財政破綻といったものを持ってくるとみんな騙されやすいですよね。
上念 わかりやすいからじゃないですか。
田中 それに対して僕たちのある種弱点になっちゃってるのは比例的な関係だとかトレード・オフみたいなことを頭に入れないと、結局デフレとかインフレとかわかんないですしね。貨幣価値とどういう風にモノの価値が関係してるかという一種の比例的関係が理解できないとわかんないですよね。
上念 それと残念ながら日本人の心の中にはたいてい皆御用一般人がいますからね。
田中 不思議だよね、あのさ、さっきの財政政策の話にもなるけど、お金をばらまくと、「バラマキ政策」ということで批判するでしょう、その一方で官僚批判もしますよね。あれは凄くダブルバイド状況で嫌ですよね。だってお金与えて使途を自由に使うってのは僕からすると、その人たちの満足を自ら叶えるからいいと思うんだけど、それをやるとバラマキはいかん、その一方で官僚の不正は許さんと、でもバラマキは嫌だって言ってる人たちの多くは官僚がやるならいいと言ってるに等しいんですよね、矛盾ですよね。
上念 バラマキを批判して官僚批判も本気でしたら、純粋にリバタリアンみたいなある種の自由原理主義みたいな感じになりますね。政府なんていらないってことならアナーキストです。
田中 そういった矛盾した発言をする人たちは御用一般人に多くいるね。
上念 それはやっぱり教養がないからじゃないですかね?というか、そこまで来るともう学力の問題みたいになってきます。演繹的に考えられないという以前の問題として、そもそも具体的なものから抽象概念を操作したりするのが苦手とか。学校教育がGHQにより愚民化政策と化してしまった名残があるのかもしれないです。
田中 ここで上念さんのいう「教養」というのは適菜さんの本からの引用で、いわゆる歴史的な知識がない、ということでもあるんですが、まさにそうなんですかね、やっぱり。
上念 リバタリアンつながりで言えば、ハイエクが『隷従への道』で予言してる話です。本来は自由な人々が戦争に勝つことを目的とした統制を望み、そのことによって個人の自由は奪われると予言します。例えばいま日本で話題の財政危機、復興、税と社会保障みたいなネタはみんなハイエクの予言に言うところの戦争の代替物です。戦争ではなく、たとえば社会保障のために、社会保障統制国家を作ろうとする人が政府の中枢にいて、自己実現的に政府を肥大化させていくというのが現代のやり方かもしれません。ハイエクは、人々が戦争に追いやられ、自由は完全に姿を消すんだ予言しますが、私たちは年金によって自由を奪われ、年金によって自由が姿を消す時代に生きているのかもしれません。
田中 そうですね、まさに日本は今、隷従への道をひた走るという国ですよね。我が国はそのパターンに合いそうな感じはするよね。
上念 実際に日本は1936年以降戦時統制への道を一度選んで滅びました。そして、敗戦後のアメリカの占領により、当初は日本弱体化政策を押し付けられていたのですが、アメリカとソ連の利害対立から、再軍備や憲法改正にむけたいわゆる逆コースが始まるわけです。そのことでなんとか日本は命脈を保ったのです。そのあと偶然割安な為替レートが続いたことで、日本経済が完全に独り立ちすることができました。本当は、このときに日本人自身の政治を取り戻すべきだったのですが、我々日本人には残念ながら戦略眼が無かったというか、、、石橋湛山や鳩山一郎といった戦前の民主主義の伝統を受け継ぐ人々がいなくなると、憲政の常道のような憲法上の慣習も廃れてしまい、今では衆参ねじれが恒常的に発生して、官僚が所謂縁故資本主義みたいなことをやり始めています。もう、ここまで来ると正直どうにもならないのではないかと思うときがあります。
田中 そのクローニー資本主義だけど、僕もブログに書いたけど、そういった傾向は、特に野田政権になって顕著ですね。7000億円の円高対応政策、あんなん笑っちゃいますよね。
上念 マジで笑っちゃいます。円高対策として何の効果もない。むしろあれは誰か関係者が儲かるような構造でやっているのではないでしょうかね。
田中 そうですね、だから国際協力銀行を経由してとか、政策投資銀行を利用してとか、そういうものが中小企業や大企業向けに、官僚の縄張りや天下り先の最大化をめざしている。
上念 自分たちの仕事や取り扱い高を増やす方向にこの危機を利用してるんですね。そしてむしろそうなるようにこの危機を継続させるような政策をやってる。この資金の元が国際協力銀行だとか、政策投資銀行とかね、いわゆる財務省の天下り先なわけです。そういえば、日本政策投資銀行というのは人口デフレ論の人が勤めている銀行でしたね。
オウム真理教は地下鉄にサリンテロを仕掛けて自作自演でハルマゲドン起こそうとしたといいます。「ハルマゲドンがやっぱり来たからオウム真理教を信じなさい」ってやろうとしたみたいですが、今まさに一部の既得権者がやろうとしているのは、経済ハルマゲドンを自作自演して、「救済されたければ私たちのところに擦り寄ってきなさい」言ってるようんはものです。
田中 そうですね、しかもしょぼい金額でさ、分け前も限られるわけじゃない。自分たちになびいたやつからいい思いをさせてやろうとするそういう話ですよね。
上念 ミエミエですよね。
田中 いまの政権の経済政策の基本は、分配政策だけじゃないですか。一定のパイとかちっちゃくなったパイをみんなで分けましょうというだけ。そうなると利害がめちゃめちゃ全面に出てくるからね。パイの切り方を握ってる集団がその権限の最大化を狙うようになる。パイを切り分けられる方はそれにおもねる。まさにクローニー資本主義化の根源はここにありますね。
上念 そしてその利権を調整する立場に自分が居続けることが彼らの目的関数と言うやつですかねぇ?
田中 そう、だからみんなこう例えば、自民党政権の時に比べると民主党の連中ってのは鳩山は例外としてね、今回の菅みたいにともかく居座ると。
上念 そうですね。
田中 あれまさに、自分がそうやって分配の梶握りたいんですよね。だから首相っていうものが権力の蜜の味を吸うものの旨みがあると。多分野田政権も凄く粘着に拘ると思います。まぁ民主党の中の範囲で来年また代表選があるからね。そこでねぇ変わらないかなあ。
上念 いや、どうなんですかねぇ。いや私ね、最近、戦前のことは大分田中先生の本をはじめいろいろ研究させていただいたんでけれども、先日片岡鉄哉先生の『日本永久占領』という絶版本を入手しまして、大変面白く読ませていただきました。戦後政治の枠組みというのは7年間の占領期に出来たと考えてよく、所謂党人派の政党と、吉田茂はじめとした官僚政治家の政党と、左翼勢力っていう3極のうち2極の連合体が与党になるという構図なんです。当初マッカーサーは社会民主主義勢力を育てようとして、石橋湛山はじめとした党人派政治家を全部パージして、吉田茂という官僚政治家と片山哲というキリスト教徒の社会民主主義者を担いだわけです。サンフランシスコ平和条約締結までは基本的に党人派政治家はパージされて全く国政には復帰できませんでした。最初はマッカーサーのことが大嫌いだった吉田茂も、途中から逆にマッカーサーをうまいこと使って権力にしがみつくようになってたんです。ところがサンフランシスコ講和条約が締結され、ついにパージが解けて鳩山一郎氏のような実力のある党人派政治家がみんな帰ってくると、またもや政界はぐっちゃぐっちゃになってしまいました。
55年の時の保守合同というのは、社会党以外の勢力が一つになって社会党と対立するというものです。このことによって残念ながら社会党は万年野党としての地位を得て、その勢力は温存されてしてしまいました。その結果、政権交代が起こらなくなって、政策論争がイデオロギー論争みたいな形になってしまったのです。
この状況によって、戦後私たち国民は議会制民主主義の貴重な経験値を積むことができなくなってしまったのです。55年体制は2000年ぐらいまで足掛け40年も続いてしまったのは凄い悲劇です。
最近起こった2009年の政権交代というのは所謂その結局党人派になのかよくわかりませんが、小沢一郎っていう保守政治家と社会民主主義勢力が組んだものです。結局、55年体制よりも前から存在した3つの勢力の合従連衡という枠組みの中で、組みあわせを従来のものと変えただけです。
自民党と自民党から分裂した新党という形で、まずは1990年ごろから保守が2つに分裂し、新党側の勢力が社会主義勢力と組んだという点では片山内閣のようなものなんです。今までは社会党が仲間ハズレだったのが、今度は自民党の半分が仲間ハズレみたいな感じになって今の民主党政権があるということです。結局、社会主義勢力に妥協しないと政権が安定しないという枠組みが崩れない限りどうしようもないです。この枠組み自体が、マッカーサーパラダイムみたいなものではないかと思います。我々はまだ占領政策から抜け出してないんです。そう言うとまた右翼みたいに言われるかもしれないんですけど、純粋にそう思いますよ。
田中 経済政策見ても日本銀行の高橋是清のリフレ政策は、日本銀行の負の歴史ってのは明らかに戦前の左翼知識人と占領軍によるいわゆる「東京裁判史観』ですよね。この2つがドッキングしてて、そのかなめにいる人物がたとえば都留重人ですよね。
上念 あの人スパイじゃないかとか言われてるんですよね。
田中 工藤美代子氏がそう言い切ってますね。1944年に東大でニューディール政策が戦争に至ったっていう彼の処女作を講義してるんですよ。これは容易にリフレ政策は戦争に突入すると。都留重人はGHQと日本の左翼知識人なんかを取り持つ仲介役(フィクサー)だったんだから。しかも大内兵衛とか有沢広巳とかは、始め日本の保守系の政治家と非常に接近して、例えば第一次経済白書なんかも彼らが書いたわけ。また大内兵衛は日本銀行の戦争中から政策研究に携わってるんですよ。だから非常に日本の経済政策の策定に、彼らは当初かなりの影響力をもたらしたんですね、そのなかでも大きい主張ってのは何かって言うと、反リフレ政策、デフレの方が望ましいという政策ですね。
上念 誰かさんみたいですね。白川方明とかいう人ならよく知ってますが。(笑)
田中 そうですね、まさに、大内兵衛たちのデフレ志向、それにやはりデフレ志向であるリフレ政策は戦争に至るみたいな東京裁判史観みたいなものがずっと日銀史観に影響を与えてると、そこから全然脱却できないのはなぜかっていうと…官僚だから、前例踏襲だからでしょうね。自分の所属組織ですからね、上司が言っていたことを否定できない。
上念 『日銀の大罪』(宝島社)に書きましたけどね。先輩には擦り寄るっていうね。
田中 まさにそうですね、歴史観がそういう先輩のいうことには逆らえないみたいな経緯でいつの間にか確立されていると。僕たちの考え方っていうのはこう戦後の中ではずっと異端のままで封印されてきているという、それに最近はようやく風穴が空き初めてるとは前向きに思いますけどね。
上念 これがマッカーサーパラダイムを打破して政策による政党政治になっていけばいいんですけど、まぁそういうと所謂戦前の政友会民vs政党モデルみたいなのを…確か政友会っていうのはそもそも官僚政治に対するアンチテーゼとしてできた政党ですよね。そういったものを取り戻せるかどうか。だから現状の官僚政治を否定する勢力と、まあそこに迎合する勢力とで分かれて、わかりやすい選挙をやってもらったほうが私は一番いいと思うんですけど。でも、敵もそうはさせないようにするでしょうね。
田中 リフレ派も政治勢力的には分散しちゃってて、それをどうにかまとめてくれる人が出てきてくれるとほんと助かるんですけどね。
上念 とはいえ、本日話題の御用一般人なんていうのは基本的にヘタレなんで、世の中変わると急に記憶喪失になって、いや私もリフレには賛成だったんですよとか言いかねないと思うんです。竹槍持って鬼畜米兵とかいう連中と殆ど変わんないんで、戦争終わったら「実は反対してたんですけど、なかなか空気が・・・」みたいな感じで「とても当時は言える空気じゃありませんでした、騙されていたんです」といいそうです。
田中 僕もね、会社勤めしてたときね、結構鼻っ柱の強い編集長で大学院はいるためにやめたんですよ、その時に送別会やろうと言い出して、なんか普段態度表明はっきりしなかった人がいきなり送別会に来てね、「私は君のこと応援してたんだよ」と。
上念 そういうのありますね。(笑)
田中 あるでしょう、日本的風土みたいなところが。応援してたんだったら、初めから言えよってね。「嘘付けコノヤロー」って感じですね。そんなんでしかないよね。御用一般人はね、上から目線で悪いけど、そんなんしかないから悪いね。
上念 まぁ影響力なんてそんなものないでしょう。かかってくるならどうぞと。多分何度も言いますけど、嘘で塗り固めた主張をネット上でやってる別人格が現実世界に生きてる自分と結びついてしまうと、そこで自己崩壊してしまうような人達なので、来れないでしょう。逆に本当に正しいと思ってるんだったら、どうぞ名前を晒して、直接来てくださいと思うんですけどね、まぁ無理でしょうね。本人もウソついてるの分かってるわけですから。
田中 やっぱ専門的な知識に対しては敬意を払って謙虚に聞くと。そういうのが身についてるわけで。で、たとえば自分の専門外の問題で、その専門家が言ってもそんな大胆に全否定で喰ってかかってくるなんてことは殆どしないと思うんですけどね。勇気があるというかなんというか(笑)。
上念 私は結構そのリトマス試験紙は貨幣数量理論だと思ってます。だから、リフレ政策に理解ある人は他の言説も、割と私は信用します。貨幣数量理論ってそんな難しくないじゃないですか。要するに品薄になったものの値段が上がるってただそれだけなんですよ。それを一貫して考えられる思考力をもった人なら基本的にはそんなに間違った推論はしないだろうと思います。
だからリフレ政策に対して割と曖昧な態度の人とかむしろネガティブの態度をとってる人とかはほかのこと言ってることが正しくても、その人の論理的な思考能力はきっとイマイチだろうとか思ってしまうわけです。逆に、頭が本当にいいのに、貨幣数量理論を理解しない人はわざとやっている工作員かもしれませんね。あの田母神さんも、貨幣数量理論はよく理解されてますよ。
田中 田母神さんね。彼はツイートやってて、経済政策の発言を読んだらちゃんと理解してますよね。で、また彼の名前を好意的に出すだけで、すぐに御用一般人的な人は、ぼくらを右翼とか極右とかレッテル貼りですね(笑)。
上念 でも東京管理職ユニオンの鈴木書記長だって、「デフレが続くと労働力の希少価値がなくなるので、労働組合にとっては不利だ」と言ってますよ。
田中 当たり前ですよ、リフレ政策の問題に右翼も左翼もないんですから。
上念 彼は、日本の労働組合を育てたのはいみじくも池田勇人だと言いてはばかりません。失業率が低くなると労働者が最強の力を持つといってました。希少資源を押さえているわけですから当たり前の話ですが。
田中 だって労働組合だって、力の強いとこ弱いとこってバリエーションあるじゃないですか、大体デフレが進むとパイの分け前が小さくなってくるから、どんな分野でも力の弱いところが真っ先に消滅しちゃうんですよ。
上念 そうなんですよね、労働力が余ってる状態というのは労働組合にとってみれば不幸なことで、労働力が足りない状態にならないと我々は力持たないんだって彼は言ってましたよ。だからわかってる奴はわかってるんですよね、左翼だって。
田中 それに右翼左翼にあえてこだわれば、リフレ派の稲葉振一郎とか松尾匡さんじゃバリバリのマルクス経済学者ですし。
上念 松尾さんは、日銀引き受けしたほうがいいと言ってましたからね。つまりですよ、日銀とかそれに群がる御用一般人というのは、ある意味人類共通の敵なんです。
田中 で、ダースベーダーはいづれ正義を働いてくれると期待してるんですかね。
上念 よくわかんないですけど。絶対ありえないですね。
田中 このまま行くと日本経済は第二次世界金融危機にすごい近いですよ。
上念 私がこの間、高橋洋一先生とお話してきたんですけれど、「このまま行くと日本がなくなってしまうかもしれないって上念さん本に書いてましたけど、北海道とかってずっと日本のままなのかな、沖縄ってずっと日本のままなのかな」ということを言われてました。
田中 特にね、北海道は大丈夫なのかもしれないけど、尖閣諸島とか資源の豊富な地帯での紛争などが起こらないか心配ですね。
上念 2021年が中国共産党結党100周年記念なんです。でここに向けて台湾奪還運動がものすごい勢いで盛り上がって行くかもしれません。台湾で親中派の総統が選ばれることによって、民主的な台湾併合を狙うか、それが失敗したら軍事侵略を考えるかもしれない。そうなるとアメリカが機動艦隊を使って圧力をかけないように空母キラーといわれているミサイル駆逐艦や潜水艦を西太平洋に出してくるかもしれません。沖縄の基地問題とかも、問題がこじれればそれを利用することも考えられるでしょう。
田中…まあでもほんと、高橋さんの懸念の言うように、国土が切り取られていく可能性をあたまから否定することはできませんね、蓋然性としてつねに考えるのが常識的だと思います。
上念 戦争直後のドイツみたいなかたちで、このままいくとロシア管理区域、中国管理区域、アメリカ管理区域みたいになるんじゃないかなと思ってます。でも経済力のない日本なんてあってもしょうがないですよね。あとアメリカにもすごい懸念があります。勢力を拡大しているティーパーティーって基本的にリバタリアンなんですよ。で、リバタリアンというのは基本モンロー主義(孤立主義)なんです。なので本当に日本から米軍は撤退してしまうかもしれないですね。あの国ポピュリズムの国なんで。在韓米軍とか縮小したり在日米軍も縮小して、中国が何やってきてもそれば日本が勝手に守ればいい話でしょう、憲法だって自分で変えればいいじゃないですか、決まってんだからと。異常に心配していますね。アメリカがモンロー主義を強めて、かつ日本がデフレがもっと酷くなって安全保障どころじゃないと、で打ち続く災害によってもう財政状態もボロボロで増税ループで景気がどんどん悪くなって、、、となると本当に第一次大戦直後のドイツみたいな感じになるんじゃないかと、それも向こう十年で無きにしももあらずだなと私は本当に心配しますよ。
田中 十年後の日本は本当にイメージし難いですよね。このまま行ったら不味いってことだけは明らかですよね。じゃあ最後に、御用一般人に対して対策としてはどうすればいいでしょうか。
上念 えー・・・無視してればいいのかなと、あえて言うならいつまでも御用一般人でいいんですかってことを言いたいですね。
田中 御用一般人はそもそもどこから出てきた言葉なんでしょうか?
上念 元々多分黒木玄さんか、あるいはTwitterのハンドルネームコーエンさん(@aag95910)だったと思うんですよね。御用学者が何とか・・・と書いてたら、何かでRTくれて、最近は御用一般人というやつもいるらしいとか言って、、それを私が面白いと思ってパクッたんです。
田中 では、解決策は御用一般人のひどいのは無視すると。
上念 まあ、無視するしかないでしょうね。まぁ直接対話は呼びかけますが。(笑)
田中 量的にはそんな多くないですからね。多くの人たちはむしろ正しい知識は何かっていうふうに謙虚に求めてるんだと僕は信じてる。
上念 そうですね、何か御用一般人でなくても教養がなければ経済的な理論を理解しなくて、恒常的に歴史を捏造してしまう人っているんですけど、その度が過ぎると、自我とお上が一体化するところまでいってしまうんですよ。これが御用一般人だっていうことなんですよね。逆の意味でステージが高いというか相当病んでる奴らで、自我とお上が一体化する、そこまでいかないと心が安定しないっていう人はよほど心に深いトラウマを抱えてるんだと思いますけどね。
田中 じゃ、日本にとって政府というものは強力な精神安定剤なんなんでしょうね。
上念 自分自身には何の取り柄もなく、世の中からさほど相手にされないんですけど、政府の一部だー!と自我を確立させていく。
田中 あんまりそういう発想っていうのは欧米では聞かないよね、政府に自分の社会的アイデンティティーを完全に託すっていう。
上念 でもあるとしたらナチスみたいなのそうじゃないですか。または左翼的というか統制国家を求めるというか。だいたいああいうのって失業が多いときに生まれます、何かにすがりたくなって、国家にすがるっていうね。まあ日本はずっと失業が多い状態なんで民主主義の原則としてご多分に漏れず日本でもそういう運動が始まってしまうかもしれません。こっちが極左だとかこっちが極右とか言って批判するのは自分がその片棒担いでるからなんですよ。だいたいヒトラーも得意じゃないですか、共産党はユダヤ人が操っているとか言ってプロパガンダやったじゃないですか。
田中 でもマインド自体から言うと、共産党をすごくヒトラーは批判してたし潰しにかかってたでしょう、これ土壌が似てるんですよね。完全に競合してるから、陰謀で議事堂放火したとかやってたじゃないですか。
上念 あれは完全に支持母体が全く共通していて、政策も全く同じですよね。コミンテルンの手先としてやるか、ドイツ独自でやるかの違いだけですよ。やってることはいわゆるルーデントルフ体制っていう第一次大戦にあった戦時統制ですよね。あれを焼き直そうとして。スターリンもほとんど同じことやってんですからルーデントルフがすべての家元なんですよね、マルクスでも、レーニンでもないんです。これをルーデントルフ家元仮説といいます。(笑)日本の陸軍の統制派もルーデントルフ統制大好きでしたからね。
田中 結論は、過激な御用一般人は無視が一番か。ブログやめてたときは、確かに心が安らかだったけど、それってまあ悲しい現実ではありますね(苦笑)。

2011年9月下旬 多摩センター京王プラザホテルラウンジにて対談。