6月26日に衆議院で消費税の増税法案が可決しました。私は、現状における消費税率のアップについては、強い反対の立場を取っています。

理由は明確で
「デフレ下において消費税をどれだけあげても、税収不足に追いつかないから」
です。

今の日本を、高血圧や、高コレステロールの人に例えてみましょう。

高血圧や高コレステロールになる原因は、動物性タンパク質の取りすぎ、高カロリー食の取りすぎ、そして運動不足です。すなわち、生活習慣がその状態を招いています。ところが、日本の医療ではこういう患者さんに口頭では「もっと食生活に注意をして、運動しましょうね」といいつつも、結局は血圧降下剤や、コレステロール降下剤を処方して、そのままごまかしてしまい、結局は重篤な生活習慣病である心臓病や脳卒中に陥るのです。

日本の税収不足は税の徴税体系の不備と、20年にわたって続くデフレにあります。前者は納税者番号がない、インボイス方式を採用していないなど、徴税の漏れが大きいこと、後者は言うまでもありませんが、名目GDPが下がっていく中で、名目値から来る税収が増えるわけがありません。

プライマリーバランスを整えるためには、納税者番号の導入による税の水平的・垂直的公平性の確保と、年に2%程度をめどとした緩やかな物価の上昇の管理が必要になります。どちらもそのための法改正が必要であり、特に後者は日銀法の改正が不可欠です。

しかし、現在の政権はこのような体質改善プログラムを嫌い、まずは投薬に近い「消費税アップ」を採用しているのです。しかし、なぜ日本人が納税に消極的かというと、政府が公平に徴税をしていないというぬぐいきれない違和感があること、さらにそもそも納税したくても、デフレ化で賃金が下がる一方であり、消費そのものを抑えていることにあるのです。

また、税収のアップに向けては、男女共同参画を妨げている配偶者控除、配偶者特別控除の枠を取り払い、より多くの女性が勤労意欲を高めて税収を増やすという方法もあります。実際、スペイン、ギリシャ、イタリア、日本など、税収不足で苦しんでいる国の特徴として、先進国の中では男女共同参画が進んでいない国々である、ということが挙げられます。さらに、配偶者控除は夫の収入が高いほど恩恵が大きいという逆累進になっており、弱者保護にもつながっていません。

国民が望んでいることは、対処療法ではなく、しっかりとした抜本的な治療です。そして、そのことに対する納得感があれば、国民も協力する意思はあるのです。現在、対処療法に見える上、公平性についても疑問があるから、反対の声が大きいと私は考えています。

納税者番号の導入、日銀法の改正、配偶者控除の見直し、この3点を実行した上での税改革を真に望みます。