野田総理がいきなり公約撤回でブレまくっています。

民主党のマニフェスト撤回は今に始まった話ではありませんが、たった5日で撤回されたマニフェストと言うのは最速記録ではないでしょうか?ロイターの報道によると民主党は今回の衆院選の政権公約として、「2014年度のデフレ脱却を目指す」「20年度までの平均で名目3%程度、実質2%程度の経済成長を実現する」と正式に決定したそうです。
名目成長率と実質成長率の差である1%は物価上昇率なので、この公約は民主党が1%のインフレターゲットを宣言したことと同義です。もちろん、デフレは容認しないということになります。ここ、重要なので繰り返しますが、民主党がやろうとしていることはインフレ率1%が目標ならデフレは容認できない、世の中を1%のマイルドなインフレにするために頑張るということです。
念のためその証拠としてその記事の抜粋とソースを示しておきます。

民主党の衆院選公約、14年度のデフレ脱却を明記 日銀と一体で「最大限努力」
2012年 11月 20日 21:04 JST
[東京 20日 ロイター] 民主党が来月16日投開票の衆院選で掲げる政権公約(マニフェスト)の最終案が明らかになった。経済政策では「2014年度のデフレ脱却を目指す」として経済成長を促進すると同時に、日銀と一体的に取り組む方針を明記。過度な円高には為替介入も含めた対応も辞さない姿勢を強調した。民主党は経済連携に関する表記などを早急に詰め、近く正式に決定する方針。
最終案に盛り込んだ経済政策は、14年度のデフレ脱却へ向け、日本再生戦略で定めた重点3分野である「グリーン(環境・エネルギー分野)、ライフ(医療・介護分野)、農林水産業の成長産業化」と「経済連携の加速による海外成長の果実の取り込み」を通じて需要を拡大。「20年度までの平均で名目3%程度、実質2%程度の経済成長を実現する」とした。
(後略)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK055816320121120

さて、ここまで力強くデフレ脱却へのコミットを語ってくれた民主党ですが、たった5日で公約撤回となりました。11月25日に出演した報道ステーションSundayの生放送の現場で事件は起こります。

11月25日(ブルームバーグ):(前略)25日のテレビ朝日の報道番組に出演した野田首相は「インフレで喜ぶのは誰か」と前置きした上で、株や土地を持っている人は良いが「一般の庶民は関係ない。マーケットは一時的」と強調した。借金を作って、それが残されることは「国民にとって大変迷惑」とも述べた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME122A6K50XS01.html

まさに、「舌の根も乾かぬうちに」という言葉ピッタリのマッハ手のひら返しです。これは要するに「民主党は株とか土地を持っていない庶民のためにデフレを容認します!」と高らかに宣言していることに等しいわけです。この凄すぎるデフレ容認発言はネットを通じてまたたく間に拡散しました。正直私も目を疑ったのですが、ブルームバーグ以外の報道機関もこの発言を伝えているため野田首相のデフレ容認はどうやら本気のようです。
この発言を聞いた自民党安倍総裁は「びっくりした。こういう認識で経済運営をやっているから惨憺たる結果になった」と応酬したそうです。そりゃそうですよね。だって、株や土地を持っていない人でも、保険や年金などに加入していれば、それらの運用には株が組み込まれているわけで、関係ない人なんて国民の中で圧倒的に少数派です。
また、上場企業に勤める人や取引がある人にとってその企業の株価の安定は経営の安定であり、経営の安定は雇用の安定でもあるわけです。土地を持っていないひとでも、給料をもらっている人は何らかの形で株式市場とつながりながら生きていることは紛れもない事実なのです。
野田首相の脳内は、デフレによってモノの値段だけ下がっても給料は変わらないというファンタジーで満たされているのでしょう。しかし、すでに「良いデフレ」などという俗論を信じる「庶民」はお陰さまで超少数派になりました。ネット上の御用一般人ですら、もう「良いデフレ」論を主張する人は希です。もちろん、デフレによって給料が減り雇用が安定しない状況は「庶民」にとって迷惑以外の何物でもありません。
野田首相の作戦ミスは、未だに人々が「良いデフレ」という俗論に囚われていると考えていたことです。それはつまり彼が「庶民」をバカ扱いしている証拠かもしれません。仮にそうでないとするなら、野田首相自身が未だに「良いデフレ」を信じているバカである可能性が高いです。
どちらの場合でも、これ以上この人を総理大臣にしておくことは日本にとって大きなマイナスでしかありません。今回の選挙の争点の一つとして、野田首相をこのままやらせるのか、やめさせるのかという点を忘れてはいけません。

また、危機管理の視点として、日本を滅ぼすデフレを続けるのは誰のためなのか、いくつかのシミュレーションが必要でしょう。
野田首相にデフレ容認発言は、日銀総裁白川方明氏を守ろうとしていることは明らかです。
ではその白川氏がデフレを続けることで何を狙ってきたのか、、、
その点についてはこちらをヒントを書いておきました。

『歴史から考える 日本の危機管理は、ここが甘い 「まさか」というシナリオ (光文社新書)』
http://a.r10.to/hJoqXZ