12月16日に行われた第46回衆議院議員選挙において自民党は単独過半数を得る大勝をし、26日には安倍総裁による新内閣の発足が予定されている。

安倍総裁は衆院選前から経済政策としてリフレ政策によるデフレからの脱却を掲げていたため、現在市場は株高、円安の傾向を示している。デフレ脱却のためには積極的な金融緩和策が欠かせぬものであり、この安倍総裁の判断は大変好ましいものと考えられる。

こうした金融緩和策の指示と並行して、安倍総裁は内閣発足後、民主党政権下では機能していなかった経済財政諮問会議を復活することを提案した。この経済財政諮問会議の復活にあたってぜひ議題として取り上げてもらいたいものに、麻生太郎元総理が諮問会議議長であったときに検討されていた、社会保障番号の導入がある。

社会保障番号とは、

当時の議事要旨

の中では「安心保障番号」という言葉、そして民主党政権下では「マイナンバー」という異なった名称で議論されてきたものであるが、細部の違いはあるものの、これらは基本的には「年金や医療など制度ごとに割り振られている現在の基礎年金番号などを、ひとつに統一した番号」という同じ性質のものであると解してよいであろう。

現在の日本の社会保障は、医療・介護・年金等多岐にわたっており、各制度の運営主体もバラバラになっている。そのため、それらを統合し、社会保障全体を横断したきめ細やかな制度設計を行うために、社会保障番号が必要とされているのである。

また、リフレ政策の実施により経済的な好況期に入った後、経済格差の適切な是正が行われなければ、やがてそれは国民の不満を呼び、政権の不安定要因ともなってしまう。その際効果的な格差是正策の一つとして有効と思われる政策に「給付付き税額控除」がある。

これは税額控除の恩恵の少ない低額所得者に対して、一定の金額を現金で支給するという政策だが、この給付付き税額控除の実施にあたっては税と社会保障の一体的な設計と、個人の所得や給付金振込先情報の正確な把握などが必須とされる。そして、こうした現金給付型の再分配政策の実施にあたっても、社会保障番号の存在はなくてはならないものなのである。

かつて自民党政権下で検討されていた安心保障番号は民主党への政権交代で立ち消えとなり、民主党政権下で審議されていたマイナンバー法案も再度の政権交代のため廃案となってしまった。自民党から民主党へと政権交代がなされても同様の政策が審議されてきたことからもわかるように、社会保障番号の必要性は与野党という垣根を越えて広く共有されている。

私たちがやらなければならないことは既にわかっている。後は、一日も早い社会保障番号の導入を望む次第である。