前安倍政権で内閣参事官として辣腕をふるい、現在は株式会社政策工房代表として様々な政党の政策作りに活躍する著者による金融政策の入門書。

イェール大学の浜田宏一教授の著書『伝説の教授に学べ!』の中で「すばらしい本」と絶賛されているだけあり、高校生にも分かるような平易な表現で金融政策の基本が述べられている。

とりわけ興味深いのは、CPI(消費者物価指数=Consumer Price Index)に関するわかりやすい解説。現在の物価の状態(デフレなのか、インフレなのか)を把握するための基本的な指標でありながら、しばしば多くのメディアで混乱した理解に基づいた解説がされがちなCPIについて、分かりやすい解説がなされている。

本書によれば、CPIとは製品やサービスなどの中から、家計支出割合の大きいものを六〇〇品目ほど選び、それぞれの支出割合に掛け、足したものである。具体的な数値を出す際には、製品やサービスの価格は毎月の小売物価統計をもとにした平均価格を用い、支出割合は基準年のものを使用する。

ここまで読むと比較的簡単に理解できそうなCPIだが、やっかいな問題が一つある。CPIには、さらにコアCPIとコアコアCPIという二つの指標があるのだ。それらがどうCPIと異なるのかと言うと、

コアCPI CPIから生鮮食品を除いたもの
コアコアCPI CPIから酒類を除いた食品とエネルギー価格を除いたもの

とある。なぜ、正しい物価の状態を知るために、わざわざCPIとは別にこれらの指標を求めなければならないのかといえば、生鮮食品の価格というものは天候に左右され上下しやすく、またエネルギー価格は原油価格など海外紛争の影響を受けやすく、これらの価格を含んでしまうと、核となる物価が把握しにくくなってしまうからである。

物価の状態を正しく理解するためには、CPI、コアCPI、コアコアCPIの三つの動きを踏まえた検討が必要であることは、以前 REAL-JAPANでもエコノミストの片岡剛士氏が指摘している。

こうしたCPIを含め、金融政策を理解するための基本的な概念を学ぶために、本書はうってつけの一冊だ。