ヘイトスピーチが大変な社会問題となっている。
「朝鮮人は殺せ」
「朝鮮人はゴキブリだ」
などと過激な街宣をする団体のデモが東京や大阪で行われ、そのデモを報道したテレビや新聞で見た国民が、強い懸念を抱いているのだ。
まず、はじめに評者はヘイトスピーチには断固反対の立場である。
本書の著者である古谷氏も同様の姿勢である旨の記述を記しており、また古谷氏がMCを務める番組を放映しているチャンネル桜の代表である水島総氏も同じ見解のようだ。
現在、日本でヘイトスピーチやレイシズムに共感する国民はほとんどいないであろう(もちろん、少ないなら問題がないということではない)。
古谷氏が本書の中で懸念を表明しているのは、問題のその先である。
古谷氏は本書の中で今後、「ネット右翼」という定義の曖昧なレッテルを張られることを恐れ、人々が韓国政府や北朝鮮政府、中国政府の政策を批判することを躊躇するようになるのではないかと憂いている。
元々、「ネット右翼」には具体的な定義が無いため、自分と異なるイデオロギーや政治的立場を持つものに対して「ネット右翼」「ネトウヨ」などとレッテルを貼り、貶めることが可能となるからだ(同様の蔑称に「新自由主義者」がある)。
昨年末の政権交代以降、安倍首相によるアベノミクスの効果で、日本経済は劇的に回復しつつある。
そして、その反対に今まで民主党政権によるデフレ政策で日本との経済競争力を保ってきた韓国、中国経済が苦境に立たされている。
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そして、既に韓国では日本の経済政策に対してバッシングが始まっているという。
私たちは今後、日本の国益を守り、アベノミクスを必ず成功させるために、これらの国からのいわれのない批判に対して毅然として反論していかなければならない。
このように中国、韓国の経済政策、安全保障政策に反論していくことは、無論、まったくレイシズムとは関係ない。
今後予想される激しい外交交渉に勝ち抜き、安倍首相の提唱する「美しい国」を実現するためにも、私たちはヘイトスピーチに毅然とした態度をとるべきなのである。