荻上チキsession22の6月6日の放送で、僕のアベノミクス第三の矢「成長戦略」についてのアンケートが読まれました。放送用に50文字以内に書いたものは番組ブログなどに掲載されるとのことですが、そのアンケートを送るときに詳細解説文を添えて送りました。以下はその詳細解説文の全文です。僕の「成長戦略」なるもの総体の評価を端的に示すものです。ご参考ください。

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そもそも「成長戦略」でいわれている「成長」とは、日本の潜在成長率を高めること。「成長戦略」とはすなわち政府がその潜在成長率を戦略的に目標化して 高めることができるという前提に依存している。
しかし潜在成長率は、民間の経済活動の結果として達成できるもので、政府の都合のいいように自由自在に 操作することはできない。できるとしたら日本を計画経済に移行させるべきだろう。
政府にできることは、規制緩和などで市場環境を整えることだけ。役割はきわめて受動的だ。最初から「戦略」化できないものを掲げている時点で政策に値しない。
ちなみに歴代政権や期待されていた政治家の多くが、なぜかこの種の「成長戦略」を持ち出して、絵に描いた 餅の話をしたがる。ひとつには絵に描いただけなので、政権も政治家も責任をとる必要がない安易さで、この種の政策=与太話が好まれるのかもしれない。
今回、安倍首相は 過去の前例にならって、そのような与太話を披露したが、市場から猛烈なしっぺ返しをうけた。ぜひこの機会に安易な「成長戦略」そのものを反省、放棄して、政府ができること(景気対策、セーフティネットの拡充など)に専念すべきだ。